「自覚」
平素より大変お世話になっております。4年フェイスオファーの河合海音です。
初めに、日頃から多大なるご支援をいただいているOB、OG、関係者の方々に深く御礼申し上げます。
毎年読んでいたブログを、ついに自分が書く番が回ってくると4年間の集大成が近づいてくることをひしひしと感じ、身が引き締まる重いと同時に時間の速さに少し戦慄を覚えます。まとまりのない長く拙い文章ですが、最後までお付き合いください。
いつからだろう。リーグ戦の時期が嫌いだった。あんなに憧れていたはずだったのに。
１年生、初めて目にするリーグ戦は白と紫紺のユニフォームに包まれ、大勢の観客の前で躍動する先輩方のかっこよさに衝撃を受けた。いつかこの舞台に立って得点したい。そんな話を同期としながら目を輝かせ、とにかく練習に燃えた。
しかし、現実はそんな自分の理想とはまるで逆だった。サマー前には肩の脱臼をして、ギリギリ間に合ったもののAチームでの出場はできず。そんな悔しさをウインターに向ける中、秋に人生二度目の前十字靭帯断裂を経験し、リハビリに一年近く費やした。自分がまともに歩けない中、同期は日に日に上手くなっていて、グラボしかしてなかったはずの試合はいつの間にか練られた戦術を元にした試合に変わっていた。
2年生になると、一緒に試合を応援していた同期が少しずつAチームに上がり、自分が憧れた舞台に立ち始めた。でもまだその多くはAチームではない、そんな状況に自分を無理矢理安心させた。しかしどこかでBリーグで活躍している同期達は、来年はチームの主力として活躍していくことはわかっていた。そんな憧れや焦り、嫉妬はリハビリに打ち込むことで有耶無耶にした。
冬になって怪我から復帰したが、復帰後の膝は激しい運動量と負荷のかかるミッドフィルダーとしてプレーするには限界だった。練習しては痛くなっての繰り返し。同期とついてしまった差や再断裂への恐怖、自分が失った時間の想像以上の長さを実感し、毎日の練習が本当に苦痛だった。先を見据え、自分が活躍できる可能性にかけてミッドフィルダーからフェイスオファーに転向した。
3年生、同期の大半がチームの主力として明治を背負ってリーグ戦を戦う中、自分はまだその舞台には立てていなかった。一方でチームは順調に成長していて、2年連続ファイナル4 に進出。そんなイケイケな空気で試合に勝った後同期達と馬鹿騒ぎしている時。他の大学の友達や家族にリーグ戦の話をする時。チームの躍進と同期の活躍を喜ばしく思う反面、いつも何かが自分の中で引っかかっていた。自分は怪我してたから、ポジション変更したから、出れなくても仕方ないだろ。自分が応援することしかできない現実を突きつけられ、そんな言い訳をして安心しようとしてしまうことが悔しかった。
現実と自分の弱さが曝け出される、そんなリーグ戦の期間がいつからか嫌いになっていた。
しかし今年は、初めてAチームとして試合でプレーする。試合で緊張は毎回してしまうし、実力不足を感じることはあってもとにかくいつも楽しい。今までを振り返ってみて、弱気に感じがちな自分がそんな風に思えるのは自分一人の力ではここまで絶対に来ることができなかったからだと思う。今までチームの主力としてプレーしてこなかったからこそ、多くの人たちが自分を、そしてチームを支えていることに気がついたし、試合に出ていない人たちの気持ちを考えられるようになった。
靭帯を断裂して全てに投げやりになっていた時に、病院に訳のわからないものをたくさん持ってお見舞いに来てくれて、笑顔でリハビリを手伝いながら励まし続けてくれた。毎朝早く起きてグラウンド作り、テーピング、数えられないくらいの準備でチームの練習を作ってくれるチームスタッフ。
極めて無愛想に、理由も話さないでずっと黙って不機嫌でいてもそっと毎日食事を作ってくれて。あまり自分が試合に出ているところを見せれていないけれど、ずっと見守ってくれていた家族。
途中から突然転向したにも関わらず、一から決して綺麗ではないけど泥臭くて執念あるフェイスを教えてくださった先輩方やコーチ。いまだに扱い方がわからず、嫌味と休みが大好きだけどここまで一緒に戦ってきて、試合では誰よりも信頼できるシノ。隙を見せれば一生ぶつぶつぶつぶつとしょうもない独り言を言っていても、フェイス転向に背中を押してくれた平井。などフェイスオフに関わる方々。
そして何よりも同期に。怪我で全くラクロスができない時、自分の膝に限界を感じた時、何度もやめてしまおうかと思ったこともあったけれど、腐ってしまいそうな時があったけれど、プレーを辞める選択ではなく続ける選択ができたのは、最高すぎる同期と一緒にラクロスがしたいと思ったからです。今まで何度こいつらとハスキーズに入部してよかったと思ったことでしょう。
まだ書ききれない自分を支えてくれている全ての方々、本当にありがとうございました。
ついに迎えるリーグ戦。最高な同期達と日本で最高の景色を見たい。
ピッチで戦う全員に数えきれないほどの支えてくれている人たちがいる。そんな人たちの想いを、常に自覚してプレーしよう。
その自覚があれば、安易なプレーなんてできるはずがない。
1つ1つの試合に、フェイスに、グラボに、どんなに泥臭くても絶対負けるわけにはいかない。
元々、俺たち明治にスタイリッシュでクールなイメージなんて求めていないし、似合わないだろ。（そのイメージが欲しかった時もあったけど）
泥臭く、男臭く、熱く、そして明治のプライドを持って戦おう。
最後に
明治のフェイスは弱い。ずっと言われてきたこと。俺たちはどのポジションよりも過程ではなく結果が求められるフェイスオフで、結果を残してこれなかった。
求めるのは「勝った」という結果だけ。
4年間の集大成。溜まりに溜まったリーグ戦にかける想い。
チームのチャンスだろうが危機だろうが、どんな局面でも
俺たちは這いつくばってでも絶対に明治のポゼッションで始めるから。
チームを波に乗せるから。
みんなサーフボード買っとけよ。
#17 河合海音
