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2025

サマー決起ブログ〜水尾和樹〜

まず初めに、日頃より明治大学男子ラクロス部に多大なるご支援を頂いている保護者の皆様、OB、OGの皆様、コーチの皆様、その他全ての関係者の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。


九州男児坂口大征君から回ってきました、4年(元)MF、現在育成コーチを務めております水尾和樹です。大征のラクロスへの真摯な姿勢は素晴らしく、チームリーダーの1人に任命しました。髪を短く切り、ダイエットにも成功し、九州仕込みのむさ苦しさが消えた彼がサマーではチームを勝たせてくれることでしょう。



さて、最初で最後のブログということでラクロス人生の振り返りとお世話になった方々へのメッセージを綴らせていただきます。長く拙い文章になりますが、流し読み程度にお付き合いくださると幸いです。



高校まで12年間野球だけに打ち込んできた私は、大学でサークルに入るというような選択肢はなく、新たな挑戦として「本気で日本一を目指せる」というお決まりの文言に惹かれラクロス部への入部を決めた。苦労はしながらも、割と順風満帆な野球人生を送ってきた私は、ラクロスというマイナースポーツでは、サッとレギュラーを取って、ササッと日本一になって、サササッと日本代表選手になろうとか考えてたような記憶がある。


勿論、現実は甘くなかった。


シュートだけはなんとなく打てたが、フィールド感覚が一切なく、1on1の抜き方のイメージがつかないし、組織の中でどのポジショニングを取ればいいのかまったくわからなかった。(この頃、ウイイレをしながら「ここは外流し」「ここはこのポジションを取って、、」とか言いながらフィールド感覚を掴む練習をしていた奇妙な思い出があります。)

周りは色んなことを吸収し、どんどん上手くなっていき、自分は夏合宿の初日に大遅刻しβに落とされ、その辺りから理想と現実のギャップに心がついていかなくなっていった。


そこからの下級生時代はあまり思い出したくない。


サマーはβで出て、髪の毛をセットして臨んだけど、雨で溶けたワックス水がメットから下垂れ落ちてきて目が痛かった思い出しかない。ウィンター、あすなろはαで試合には出れたけど特に目立てず。


2年のBリーグはたくさん試合に出してもらい、広友樹さんが「和樹が活躍したら勝てる」って言ってくれた覚えはあるけど、良くも悪くも何もできなかった。自他共に認める展開役。右から来たボールを左に流すだけ。それでいて何もできない自分に何の感情も湧かなかった。ただ日々をこなすだけで、負けてもあまり悔しくなくて、この時のプレーしてる自分がほとんど思い出せない。


3年のシーズンが始まり、今は亡きA帯同という立場でトップチームを経験させてもらい、その時はちょっと頑張ったけど、年明けからBに落ち着いてからはまた頑張れない日々に逆戻り。



しんどくて、痛くて、朝早くての3拍子揃ったラクロスという競技、さらにはハスキーズというチームを認められない時間が長くあったが、1番認められなかったのは「情けなく弱い自分」だったはずだ、と今になって気づく。ずっと自分から逃げていた。


後輩のみんなに伝えたい。

「目先のことに一喜一憂しすぎないこと」

所属カテゴリー落ちたとか、試合でボールダウンしたとか、今日調子悪いとか。上手くいかないことは多いと思うけど、それは勝負の世界なんだからそういうもん。みんなの最終目標は自分の代で日本一になることであり、そこで活躍することだと思います。遠くて大きな目標を持ち続けて、そこから逆算して今やるべきことを考え続けてほしい。やることやってれば絶対にどこかでチャンス回ってくるよ。




そんな自分が変わるきっかけは昨シーズンのBリーグ期間だった。去年の4年Bの先輩たちは色々と言われることは多かった気がするけど、僕は大好きだった。みんな優しいし面白いから一緒にいて楽しかった。そんな先輩たちと一緒にいる時間をちょっとでも伸ばしたい、というただこれだけの理由でもう一度頑張りだした。


結局Bリーグは勝ちきれなかったが、個人的には3得点を記録し、この時になってやっと点を取る快感を感じだした。


そして最後のシーズンが始まり、Aチームで活動する時間は今までとは違うやりがいを感じていた。とても充実していて楽しかった。


けど、一つだけ大きな不安があった。




左肩の脱臼癖


高校の時から何度も脱臼を繰り返してきた肩は日に日に削れていき、いとも簡単に外れる状態だった。


そして、冬の日のとある練習で、グラボのかき出し待ちで「こっちかけ!」と大きく手を挙げた瞬間にまた外れた。全然プレーに関係ない所で。かなり滑稽な姿で今ではよく笑い話にしているけど、実際この頃から


もう限界来てるんだろうな


と感じていた。そのことに自分の中で気づいてから、DFとコンタクトすることが怖くなってしまった。電車で手すりを持つだけで外れそうな感覚がある。医者にもできるだけ早く手術した方がいいと言われていた。けど、Aチームに居させてもらっている以上弱音は吐けないと思っていた。何より今年はリーグ戦でオンミの1セット目の3枚の一角として活躍するという目標があったから怖くても自分を奮い立たせて戦い続けた。


ここからはもうずっと耐えの期間だったけど、なんとか打開しようと考えて出した答えの一つが「クリースマン」だった。

DFとガツガツ当たらなくても上手いこと駆け引きして点を取ろうと勉強した。

春の波崎合宿で朝陽が「和樹クリース極めてよ」って言ってくれた何気ない一言も背中を押してくれた。


自分にしては珍しく色んな動画を見たりして研究してみると、エキでクリースのポジションを任せてもらえるようになり、六大戦も怪我中だったが、エキでワンポイントで出してもらったりした。リーグ戦までに極めて唯一無二のバリューにしようと考えていた。


そんな矢先、また肩を外した。今度はちょっと左手を地面に着いただけで。


Aでの自分の立場的にも耐え所だったから、頑張らないといけないのに、そもそもプレーできないもどかしさと焦りが強く押し寄せてきた。自分に腹が立った。


笠間さんと話し合って1ヶ月ほどリハビリに専念して身体を整えることにした。


そして、復帰に向け毎日ジムに通ってリハビリに励んでいた矢先、育成コーチの打診を受けた。


とても複雑だった。


今年こそはリーグ戦で活躍したかったから、その夢を諦めたくなかった。でも、身体は限界なのが分かっていたから、もう苦しい思いをしなくて済むという安心感もあった。


結局、怪我の状態やチームでの立場、後輩の成長などを総合的に判断して現役を退く決断をした。


快く引き受けた感じを出してたけど、内心悔しさは残ってたし、やりきれないような感情も無かったというと嘘になる。


けど、そんな私をまた前向きにしてくれたのは38期のみんなだった。


希望を胸に入部してきてくれて、分からないなりに必死に努力する姿。たくさんLINEしてきてくれて質問攻めにしてくれるその姿勢。素直でひたむきな子ばかりだった。


「この子達が3年後のリーグ戦で日本一を取る、その礎を築こう。そして、個人的にはサマーで優勝して有終の美を飾ろう」


そう心に誓った。


今まで経験したことのない指導者という立場に苦戦しながらも、自分の4年間を全て還元しようとこの5ヶ月間役割を全うした。


さあ、サマーまで一週間を切った。まだまだ出来ることはある。全部やり切って最高の準備をして、本番に臨ませます。そして勝たせます。



順風満帆なラクロス人生ではなかったけど、Aチーム、Bチーム、怪我、育成コーチと多くの経験を積ませてもらい、その中でたくさんの感情と出会うことができた。全てを乗り越えられたわけではないけど、確実に成長できた4年間だったと胸を張って言える。


後は、サマー優勝して、4年のリーグ戦が残り全部勝ってくれれば思い残すことはありません!



自分語りが長くなってしまいました。

ここからはお世話になった方々へ、メッセージを残させていただきます。


36期のみんな

去年のBチームを共に戦ったみんなは同志だと思ってるよ。今Aチームで頑張ってる子。フライ管理で久々にBOX入ったら自分がいた頃とは見違えるほど逞しくなってて本当に感心します。みんながこのチームを勝たせてくれ。BCチームで頑張ってる子。同期がどんどんAに上がって取り残されていくような感覚、焦ると思う。けど、大丈夫。今できること最大限やっとけば。一緒に飲み行きたい子いっぱいいるんで。オフ期間にでも行きましょう。


37期のみんな

2年生の今ってモチベーション的にも難しい期間だと思うけど、ここでの頑張りが4年になった時に自分に返ってくるよ。なりたい自分を持ち続けて今を頑張ってね。


38期のみんな

みんなとの出会いは僕の大きな財産です。

ラクロス部に入ってくれてありがとう。

みんなの持ってる素質、可能性を僕は知ってます。

でも、だからこそ、もっとできる。

残り少ない時間でも、まだ成長できるよ。全部やりきって、自信持って本番乗り込もう。

αもβも全部勝とう。


同期のみんな

上京してきた自分にとって、なんやかんやで1番大切なコミュニティであり、戻って来れる場所でした。

すんごい才能を持ってる奴、自分には考えられないほど努力してた奴、尊敬できる同期がたくさんで幸せです。

育成になって、一年練は場所が違うことが多いからグランド行っても同期がいないことだけが寂しかった。けど、育成手伝ってくれたり顔出してくれたみんなありがとう。

残りの試合、頼むよ。フライは徹底管理しますので。


脱力しがちなみんな

ここのみんなといる時が1番落ち着く。

仲良いはずなのに結局何も語ってくれないガン黒陽大。僕の引退の時は飲んでくれなかったけど、リーグ戦終わったら流石に一杯上げるぞ。

ネコより気分屋なメンヘラ明央。1番気が合うけど、性格は真逆。22年の人生でなんでも話せる友人は明央が初めて。有志で育成こんなに頑張ってくれて本当にありがとう。引退したら漢磨いちゃお。


あ、あと冨井もありがと。


スタッフのみんな

コーチになってからみんなと話すことが増えた気がします。そして、よりみんなの凄さを実感しました。プレーヤーではない立場でこれだけチームに向き合えるの凄いなって、本当に尊敬です。みんながいるから安心して日本一目指せるんだと改めて感じます。本当にありがとう。

トレーナーのみんなも肩のテーピングたくさん巻いてくれてありがとう。ちょっと転けただけで「肩大丈夫?」って聞いてくれて過保護で最高です。


家族

これまでの人生、何不自由なくのびのびとやりたいことに取り組めたのは紛れもなくお父さんお母さんのおかげです。上京させてくれて、お金のかかる部活を4年間続けさせてくれたのに最後大きな舞台で活躍する姿を見せれなかったのが心残りです。でもやっぱりこの部活に入って良かったです。ずっとサポートしてくれてありがとう。これからはなるべく帰省するので、体だけ気をつけて健康第一でね。弟は僕のことをどう思ってるのかわからないけど、勉強と野球両方妥協することなく頑張って。一番の味方でいときます。


他にもここには書ききれないたくさんの方に支えられてここまで来ました。


私は周りに恵まれました。


本当に有難う御座います。


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一個だけ書き忘れてました。

引退試合となった明立戦でのみんなからの応援。死ぬまで忘れません。あの声援の動画、今でも超お気に入りでよく見てます。ありがとう!



明日はワイワイ38期の中でも屈指のムードメーカー高野 利槻君です。彼は、後輩力の塊で入部当初から僕に懐いているかわいい奴です。最近はラクロスを頑張りすぎて彼女と別れたそうですが、その分サマーでは必ず暴れてくれます。私の「16」を背負い攻守で躍動する利槻に注目です。

笑顔の裏で何を思って活動しているのか、ブログ楽しみです。任せたよ!


#16  水尾和樹



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