Blog

ブログ更新情報


2021

対談企画④「理念はどのようにして生まれたのか」

理念はどのようにして生まれたのか

「ONE HUSKIES対談」の締めくくりとして、HUSKIESの理念策定を推進された鈴木さん(9期・本文では達也さん)、横山さん(11期)に当時のお話を伺った。


[聞き手]GM奥、小林主務(31期)、福山(31期)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1. 学生時代は創設メンバーがコーチだった

2.「ONE HUSKIES」はいかにして生まれたのか

3.永遠のテーマ「OB会費」

4.一致団結の実践とは?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「今回で対談が四回目になりまして一旦区切りになる締めの回です。」


横山

「最近よくFacebookで発信してくれてるから、福山くんの名前は目にするよ。最近の若い子たちってあんまりFacebook使ったりしないんでしょ?」


福山

「たしかに、そうですね」


「みんなインスタとかじゃないですかね。Facebook使わないと聞くと、自分もなんだかおじさんになった気がしてしまいます。(笑)」


横山

「たしかにね(笑)」


「それでは本題にはいっていきます!」



【1.学生時代は創設メンバーがコーチだった】


横山

「達也さんが9期で僕が11期で、小川会長とか金子さんとかとまだ近しい世代だったのね。創設したすごい熱い思いを持った先輩たちと直接お話する機会が多かった。合宿にも初期の世代の方々がよく来てくれてたし、僕が4年で主将だったときは、ヘッドコーチが新名さんで、アタックコーチが青木さんで、ディフェンスコーチに公丈さんがいて。」

※いずれも2期OB


「すごいメンバーですね」


横山

「どういう思いでハスキーズに関わっているのかとか、言語化されてない熱量みたいなものが、すごく伝わってきた。まだ人数も少なかったし、人と人とのつながりを強く感じる時代だった。属人的で、組織だってはなかったけど」

「それこそ達也さんが四年生の頃はMFが全然いなかったな」


鈴木

「セットが組めなかったよね(笑)」

「フェイスオファーとかいなかったもんね」


「お2人の同期はどのくらいいらっしゃったんですか?」


鈴木

「四年生の時はマネージャー入れて9人だったね。下の学年の力を借りないと試合ができなくて。横山は2年のときからショートでうまかったのに、途中でロングに転向しちゃったから、ますますMFはきつかった(笑)」


横山

「当時U-19にMFで選ばれていたんだけど、代表のコーチにロング持ってみないかって言われて、それでロングに転向して、それで代表に受かったんだよね。」

「鈴木さんの代と僕らの代の間に、百瀬さんの代があってその代は4人で、僕の代はプレイヤー6人でマネージャー1人って感じで本当に少なかった」

「達也さんなんてフェイスやってそのままずっと試合出て、達也さんだけユニフォーム泥だらけみたいな(笑)」


「そうだったんですね。達也さん当時からランナーだったんですね(笑)」


鈴木

「いやいや、体力は本当に無かったのよ」

「六大戦が本当キツかったよね。時期的に新入生も入ってこないし、四年生就活だし、12人で試合ってどうなのって(笑)」


横山

「玉置さん(10期)なんか、達也さんがフライしてきてもベンチで無理無理って言ってましたもんね(笑)」


鈴木

「そういう状況もあったから、横山も私も、一部と二部の浮き沈みを経験してる。私が2年の時に一部から落ちてしまっで、3年で復帰できず、4年は入替まで行ったけど勝てなかったと言う時代でしたね。」


「悔しい思いで引退された形だったんですね。」


鈴木

「そうだね。そこもあって、今でも何かをお手伝いしていきたいなって言うのが根本にあります。」


横山

「僕も落としちゃった代なので本当に悲惨だったんですよ。で、やっぱりこんな思いは絶対下の子にはさせたく無いと思って、社会人3年目の時に、市川さんと一緒にヘッドコーチをやって、そこから3年やらしてもらったな。」



【2.「ONE HUSKIES」はいかにして生まれたのか】


横山

「海外転勤でしばらくHUSKIESに関われなかったんだけど、戻ってきたあと、2013年あたりから、今度はOB会に関わらせてもらい、小川会長や達也さんたちと、体育会に組織を引き上げなきゃいけないという話をしていた」

「その中で、組織としての根幹を、みんなが共通して言葉で認識できる理念をちゃんと作ろうという話も出始めた」

「部員数もどんどん増えていたから、単なるラクロスが好きなやつの集団みたいになったら、受け継いできたハスキーズらしさが失われていくのではないかっていう危機感もあった。」


「横山さんと達也さんのお2人で理念を作ろうと話されたわけではないんですね」


横山

「当時は、小川会長中心に、OB会の運営メンバーが定期的に仕事帰りに集まって、OB会としてああすべきだこうすべきだみたいなことを議論して、そのまま飲みに行く、というのがよくあって、そこで理念を作ろうという話が挙がったので、横田(13期)にも声をかけた」

「ただ誰かが作った理念を押し付けられてもなかなか腹落ちしないから、ちゃんと初期のOBの方々から現役まで、みんなの意見を吸い上げながら、ディスカッションの場を設けて作っていった感じかな。」


「和泉の教室とか取って、週末話し合いしたの僕覚えてますよ。」


横山

「小川さん、大山さん、市川さん、丸山、横田、瀬名波、あとは当時の学生も交えていろいろと議論をして、ONE HUSKIESに落ち着いたのかな。」


「めちゃめちゃ話し合いましたよね。他にも何名か関わってくださったOBの方がいらっしゃったと思います。コーチやってた僕の同期の片桐や秋山も、関わってくれた記憶があります。」


横山

「みんなで一気に付箋に書き出して、ハスキーズってどんなイメージか、どんなことを望むか、みたいな思いや意見を集約していったんだけど、あれを繰り返していったプロセスは良かったかなと思うね。」


「そうですね。みんなで出し合って作った言葉だから、これからもっともっと定着して、みんなが当たり前に使う言葉になっていって欲しいですね。」


横山

「これは僕らの反省なんだけど、こういうスローガンって、作るのはいいんだけどそれでおしまいになっちゃって浸透しないことはよくあって」

「この言葉に込められている想いとか思想を、ちゃんと伝えていく機会を継続的に設けていかないとねって話してはいたんだけど、やっぱりなかなか出来なくて、そういう意味では今日の対談はいい機会だなと思ってます」

「たぶんONE HUSKIESっていう言葉は現役のみんなも知ってると思うんだけど、でもその中にある、個の人間的成長、組織の一致団結の実践、といったところまで、認識している人は少ないと思う」

「本当は、我々OB会としても、もっと学生のみんなに発信して、心の根っこの部分にちゃんと持ってもらえるようにしたいと思ってる。」


「僕も一昨年までコーチやってましたけど、理念に書いてあるような事に立ち返りながら教えるってことは出来てなかったなと、反省してる部分はありますね」


横山

「これを作ったもう一つの目的として、コーチとか現場の人たちが何かを迷ったときに立ち返るものにしたいと思っていた。理念に書いてあるようなことは、きっと違う言葉で普段から学生にも言っているはずで、それを客観的に振り返るものがあると、コーチの人たちにも支えになるかなと思って、あえて細く文章化してるっていう部分もある。」

「でもこれ、当時のOB会で発表して以来、なかなか表に出てないよね。」


「ホームページには一応出てるって感じですかね。」


横山

「ハスキーズの理念には、強さって掲げていないんだよね。」

「いろんな世代のOBOGがみんな言うのが、ハスキーズというチームで、勝つために努力をする、考えるっていう、そういうプロセスを通じて、後輩たちに人間的に成長して欲しいっていうのを、必ずみんな思ってるんだよね」

「せっかくハスキーズっていう組織に参加したからこそ、仲間作りだったり、一生残っていく財産を得てほしい。でもそれは、本気で取り組まないと、本気で仲間とぶつかり合わないと、絶対に得られないと思う。」

「ある意味、その手段として、ラクロス部という場所を活用してほしいという思いも、この理念に込めている部分もあるね。」


「ハスキーズのOBOGの思いとしては、チームの連帯感とか、仲間と一緒に、みたいなところは結構強いですよね。」


横山

「明治大学ラクロス部として現役でやれるのは4年間じゃん。でも、その後の社会に出たあとの方がよっぽど人生としては長い。だから、最終的に勝ったか負けたかっていう結果よりも、勝つために4年間どれだけ考えて努力をしたかが、社会に出ていったときに圧倒的に力になると僕は思っている」

「だから、そういう人間としての力を、ぜひこの4年間で育てていって欲しいなといつも僕は思ってます。僕が現役の時も、それを新名さん達から何度も言ってもらった。社会に出たときに、明治大学ラクロス部の人間って素晴らしいねって言われるような組織や人間になって欲しいし、そのために今やれることをやれっていうのはよく言われたね。」


「前回までの対談だとこちらから質問させていただく流れだったんですけど、横山さんのお話が流暢すぎてこちらが聞くだけになっちゃって、すみません(笑)」


横山

「ごめんねしゃべり過ぎちゃって(笑)」

「あと、負けて終わったから顔出しづらいみたいな組織にしちゃいけないなと思ってて。極論、優勝したって2部に落としたって、ハスキーズとして出来る限りの本当の努力をしてきた結果なんだったら、勝負は時の運もあるし、引退しても人間関係は続くし。」

「だから、どんな終わり方をしても、OB会の一員として後輩をサポートしようって思える組織にしていってほしいな。」





【3.永遠のテーマ「OB会費」】


鈴木

「HUSKIESのいいところはね、OB会費払わなかったとしても除籍とか無いじゃん。」


「そんなことあるんですか?」


鈴木

「そういう部活あるよ、5年払わなかったら除籍とか。僕としてはそんなのありえないと思う。OBとしてHUSKIESの一員であり続けるっていうのは、4年間取り組んできた、頑張ってきた当然の権利というかさ。いい結果を出せなかったからOB会顔出しづらいとかおかしいし、OB会費だって、経済的事情もあるわけだから、協力できるときに協力してもらえればっていうところもあるしね。」


「そう言いつつも、達也ご自身は、相当長いことハスキーズに関わってくださってますよね」


鈴木

「いや、私は途中お休みがあったから、実際にちゃんとお手伝いし始めたのが2006年くらいからなんですよね。」


「いや全然長いですよ(笑)」

「もう15年じゃないですか、ありがとうございます」


横山

「僕がヘッドコーチになった時、やっぱ部を強化するためにOB会費の会費収入が上がらないと強化に回せるお金がなかなか厳しくて、なんとかOB会費を集めるために携帯ストラップ作って、強制的に送って、そのかわり会費をくれっていう案内を送ったりとかを、当時達也さんにも手伝ってもらっていた」


「携帯ストラップっいうのが時代を感じますね(笑)」

「お金、大事ですよね。いま向き合っているテーマです。昔から課題だったんですね。」


鈴木

「過去にも、何度も自動引き落としについて議論を重ねたんだよね。」


「じゃあ、やっと今年から、自動引き落としの仕組みについてのチャレンジが始まったということですね。」


横山

「だから、小林くんとか福山くんが卒業するときは、引き落とし用紙にハンコを押してから正式に卒業だから(笑)」


「不公平感はあるかもしれないですけど、どこかのタイミングで始めないと、仕組みが出来上がらないですもんね。」


横山

「一回OBになって期間空いてから払ってって言われても、難しいもんね。」



【4.一致団結の実践とは?】


小林

「僕自身このONE HUSKIESという言葉は好きで、入部したときに晴雄さん(GM奥)がONE HUSKIESの理念をまとめたものを配ってくれたんです」

「今年のスローガンを決めるときに、ONEっていう案を出したくらい、僕はこの言葉が結構好きなんです。全員で団結してまとまってくみたいな、一人一人個性があっても同じ目標に向かって進んでくっていうのがすごくいいなって思いました」

「ただ、実際のチーム作りにおいて、全員が同じ目標を持っているとは限らないとも思っていて、やっぱりそこの部分でぶつかって、ズレが出てくると思うんですけど、そういう時のチームのまとめ方って、お二方はどうお考えになりますか?」


鈴木

「非常に難しい質問で様々な答えがあると思うんですけど、個人が成長しなきゃチームが強くならないっていうのはあるよね」


「達也さん学生の時そういう葛藤ありましたか?」


鈴木

「私の時は2部だったので、1部復帰というのが目標でしたけど、自分としてはとにかく、勝つためにできることをしたい、という考えでしたね。人数も少ないし、勝つために自分を犠牲にしてまでも勝つという考え方だったから。」


「そういう意味では、チーム優先ということだったということですかね。」


鈴木

「そうだね。でも今の学生みたいに、ちゃんと考えて行動して、目標に向かって筋道を立てて無かったような気がするね。ここはあんまり参考にならないかもな。」


横山

「僕らの時代って、新歓とかもストイックじゃ無かったから、それこそ新歓の誘い文句が女の子めっちゃいるよ、みたいな感じだったから、ラクロス楽しめればいいやみたいなやつも結構いたんだけど、今ってどんな感じなの?」


小林

「人によると思います。僕はチームってより自分が楽しくやって一緒に日本一目指したいなっていう考え方で入って、今年の主将とかは日本一のためにこの部活に入ってきたような人で、人それぞれな感じです。その中で調和が取れないことって出てくると思うんですよ。」


横山

「楽しければいいというだけのやつがいたとしたら、楽しいって何なのかなっていう話を、僕だったらするかな。どこにその人の考え方の根っこの部分があるんだろうっていうのを、お互いに紐解いていくと、HUSKIESの理念に掲げてあるようなことに行き着くんじゃないかなと思う。お互いに話し合っていけば、徐々にすりあっていく気がするけどね。」


「たしかに、口では自分のためとは言いつつも、やることを突き詰めて具体化していくと、結局チームを勝たせることだったりしますもんね。」


福山

「入部の時に晴雄さんがONE HUSKIESについて熱く語ってくれて、同期にもONE HUSKIESについて話す人とかもいて、理念に対する認識は持ててると思ってましたが、やっぱりその中の細かい部分を確認する機会は自分たちでも作れていなかったです。」

「この対談企画も、ONE HUSKIESへの思いについてOBの方に伺ってみたいと思って、お願いをさせてもらって始めましたが、こうした機会を通じて理解を深めていくことで、チームの運営や練習にも生きてくるのかなと再確認できました。」


小林

「あと一点お聞きしたいことがあって。一致団結ってどうやったらできると思いますか?」


横山

「おお(笑)」


小林

「勝つっていう目標があって、向いてる方向は同じはずなのに、その手段が違うだけで、拒絶反応が起きるようなことがあって、それがすごい嫌なんですよ。同じ目標に向いてるはずなのに団結できてないなって、最近思うことが多かったので、ぜひお聞きしたいなと思ったんです。」


「横山さんと達也さんが現役の時、バチバチ言い合ったりとか、意見の折り合いがつかなかったことってありますか?」


横山

「相当ぶつかったよ。」


鈴木

「ほとんどぶつかってたよね。ずっと言い争いしてた。」

「私MFだったんだけど、玉置(10期)と考え方が全然かみ合わなくて、でも合わない同士反発しあって、結果的にいい効果になることもあるって何度も思ったね。」


「玉置さんが和を乱してたみたいな感じになっちゃってますけど(笑)」


鈴木

「いや、イメージは本田圭佑みたいな感じなのよ。」


「そう聞くと聞こえはいいですね(笑)」


鈴木

「小林くんは、勇気を持ってやり続ける、それしかないと思うね。やっぱり勇気を出すしかない。」


横山

「この部に入るまでに、既に18年生きていて、そこで意見が完全に一致するようなことなんてそうそうないじゃない」

「場の空気乱すとか、めんどくさいとかで、同調してる人って結構いると思うんだけど、それでみんな当たり障りなくやっていくと、最終的に1番しんどい時に爆発するんだよね。リーグ戦の途中だとか、そういう時に歪みが出る」

「だから、意見を言い合うチームが1番いいと思うんだよね。意見を戦わせて、最後は折り合いつかないかもしれない。でも、相手の本当の部分を知れるだけで、全然違うと思うんだよね。最後折り合いつかなかった場合さ、そこがキャプテンやコーチの役目だと思うんだよね。」


「やっぱり、話し合い続けることが大事だと思いますね。自分が学生の時も、引退のときまで話し合い続けてたと思う。あと一試合で引退だけどお前このまま引退するつもり?みたいな。結果的にお互い気持ちよくまとまらなかったとしても、向き合うことに時間を使うってことが大事なんだと思う。」


横山

「晴雄いいこというね。」


「最後お二人から学生の方へ応援メッセージをお願いします!」


横山

「やっぱり、ラクロスで勝つ、成績を残すって目標がまずあって、それを達成するために何をするかっていう考え方が、僕らがONE HUSKIESに入れた思い。是非、何か悩んだり、困ったりしたときには、もう一回理念を思い起こしてもらって、OBの人たちはこう思ってくれてるんだと、少しでも感じてくれたら嬉しいなと思います。頑張ってください!」


鈴木

「ONE HUSKIESという言葉に込められている、ひとつになるっていうことを、是非学生の皆さんは心掛けてもらって、コロナっている特別な環境でなかなか厳しいとは思いますけど、頑張ってください。応援してます。卒業してOB会メンバーなってくれるのを、心待ちにしております。」


横山

「自動引き落としよろしくお願いします(笑)」


「お忙しい中お時間いただき、本当にありがとうございました!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



対談を通して

「今回の対談を持ちまして、企画されていた対談企画(全4回)が終わりとなりました。

私自身、webチームのリーダーとして、このようなOBの方々のリアルな話を聞く機会を作ることができ、とても嬉しく思っています。

今回の対談では、理念の部分のお話を伺いました。

今年度のチーム目標は、学生日本一。

ハスキーズが今まで届いたことのない大きな目標です。

昨年度先輩方は関東Final4という素晴らしいところに連れて行ってくださりました。

ハスキーズがこれからさらに強いチームになっていくためにもこの理念である、ONE HUSKIESというものが鍵になってくるのではないかと感じました。

日々の練習から、この理念を意識し、取り組み続けることが、日本一につながると思い、チームへこの理念をもっと浸透させていき、今シーズンこそは学生日本一を達成したいと思います。(福山)」



以上を持ちまして、対談企画を終了します。

1-4回の企画でしたが、合わせて全対談ご覧いただけたら幸いです。

今後ともハスキーズをよろしくお願いいたします。



コメント
名前

内容